こんにちは。
今回も菅公の和歌です。
東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな (拾遺和歌集)
東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ (大鏡 巻二)
有名過ぎるくらいの和歌ですが、一応現代語訳は、
春風が吹いたなら、(京都に)主人がいなくても梅の花よ、しっかりと咲いておくれ。
という感じでしょうか。藤原氏の計略によって大宰府に追いやられた菅原道真の梅に関する和歌です。そののち、菅家の梅は一晩にして大宰府の主人の元へ飛んで行ったということです。※飛梅伝説
和歌の最後が、春を忘るな、のものと、春な忘れそ、と2種類が存在しますが、どちらが正しいのでしょうか・・
諸説ありますが、時代として古いのは
『春を忘るな』です。古いから必ず正しいとは言えませんが、菅原道真本人の時代に近い方が信頼できる気もします。
また、古文で『な〜そ』の禁止を教えるときに学校の先生が、こぞって例に出したこともあり、『春な忘れそ』のほうが広まったという説もあります。
ちなみに私の知っている天満宮の石碑などは全て『春な忘れそ』です。(^_^;)
さてさて、菅公はどちらで書いたのでしょうか・・また改編した人はどういう思いで変えてしまったのでしょうか・・
どちらがかっこいいか、ではなく、真実が知りたいですね。あらためて味わうとどちらも趣がありますね。(^_^;)